発達障害の分類・診断・対策

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 発達障害とは、生まれつきみられる脳の働き方の違いにより、幼児のうちから行動面や情緒面に特徴がある状態を指します。

外見には異常がないため、障害があると気付かれにくい一方、日常生活や社会生活を送る上でさまざまな支障をきたすこともあり、生きづらさを感じる人も少なくありません。発達障害とは、人により様々な症状・困難を抱えていることを理解しておく必要があるのです。

この記事では発達障害の分類や特徴、対応方法について紹介しています。

こんな悩みはありませんか?

  • 言葉の遅れが気になる
  • 集中力・落ち着きがない
  • 勉強についていけない
  • コミュニケーションが苦手

発達障害の種類とグレーゾーン

発達障害の3つの種類

自閉症スペクトラム障害(ASD)

自閉症スペクトラム障害は、自閉症やアスペルガー症候群、広汎性発達障害などが統合されてできた診断名です。

主な特徴として
①社会的コミュニケーションや対人関係の困難さ
②限定された行動、興味、反復行動
などがあり、感覚に関する過敏性や鈍感性を伴うこともあります。

注意欠如・多動性障害(ADHD)

ADHDは、注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害とも呼ばれ、不注意(集中力がない)、多動性(じっとしていられない)、衝動性(思いつくと行動してしまう)といった症状が見られる障害です。ADHDは、これらの要素の現れ方の傾向は、「不注意優勢に存在」「多動・衝動優勢に存在」「混合して存在」というように人によって異なります。

学習障害(LD)

学習障害(Learning Disabilities:LD)とは、全般的な知的発達に遅れがないものの、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」能力に困難が生じる発達障害のことです。困難さを感じる特徴によってディスレクシア(読字障害)、ディスグラフィア(書字障害)、ディスカリキュリア(算数障害)と呼ばれることもあります。

発達障害が併存する場合の症状

自閉症スペクトラム障害とADHDに知的障害を併存している人もいます。光や音、味や匂い、触り心地などに敏感な感覚過敏や、反対に痛みや五感への刺激の反応が鈍い感覚鈍麻のある人も多いです。他にも言語発達遅滞(言葉の遅れ)や発達性協調運動障害、てんかん、チックなどの併存が見られる人もいます。

発達障害の症状・特徴

自閉症スペクトラム障害(ASD)

  • 言葉の遅れ
  • 周囲とのコミュニケーションが苦手
  • こだわりが強い・変化が苦手
  • 癇癪・自傷行為
  • 感覚過敏
  • 感覚鈍磨

自閉症スペクトラム障害の症状は程度や年齢などによって非常に多様です。主な特徴としては1~2歳の頃から「目が合わない」「他の子に関心がない」「言葉が遅い」などで気づかれることが多いです。その後成長に伴って「一人遊びが多い」「指さしをしない」「人のまねをしない」「名前を呼んでも振り向かない」「表情が乏しい」「落ち着きがない」「かんしゃくが強い」などもよく見られるようになってきます。感覚の鈍さや敏感さなどがある場合もあるので「大きな音が怖い」「プールやお風呂に入ることが苦手」「人がたくさんいるところを嫌う」などの傾向が見られることもあります。
また学齢期以降になると主に学校内での様子から「友だちができにくい」「関わりがしばしば一方的で、友達が嫌がっても話し続けてしまう」など、感情を共有したり、対人的な相互関係を築くことが難しい傾向が見られます。
成人期では就労や仕事関係でつまづくこともあり「仕事の全体像を捉えて優先順位をつけることが苦手」「現場のニーズに合わせて臨機応変に対応することが難しい」という傾向が見られます。また学齢期以上に対人関係もより複雑化してくるので、コミュニケーションにすれ違いが生じたり、社会的なマナーが理解できずにトラブルになったりすることがあります。

注意欠如・多動性障害(ADHD)

  • 課題に集中できない
  • 忘れ物や不注意が目立つ
  • 我慢ができず、感情がコントロールできない
  • 行動がコントロールできない

幼児期から「落ち着きがない」「かんしゃくが強い」「非常に活発である」など見られますが、ADHDでないお子さまとの違いが見分けにくいところがあります。そのため就学してから「授業に集中できない」「忘れ物が多い」「時間の管理が苦手」「すぐに気が散ってしまう」などの特徴からADHDではないかと疑われることが多いです。
成人期では就労や仕事関係の場面で「ケアレスミスが多い」「〆切や約束ごとが守れない」「物事を順序だてて取り組むことが苦手」「長時間机に座って事務作業をおこなうことができない」などの傾向が見られることがあります。また生活の場面でも「片付けができない」「ゴミを溜めっぱなしにしてしまう」「途中で作業を中断しているものが多くある」などの特徴が見られます。

学習障害(LD)

  • 読むことが苦手
  • 書くことが苦手
  • 算数が苦手
  • なぜできないのか理解してもらえない

教科学習がはじまる小学生年代で学習障害を疑われることが多く、国語や算数を学んでいる際に「読むのが遅い」「読んでも内容が理解できていない」「誤字、脱字が多い」「数の概念が理解できなかったり、計算が遅い」などの特徴から見られます。ただ、就学以前から「言葉の遅れ」「数えることの困難」「手先が不器用」などの傾向が見られることもあります。成人期の場合でもメモを取ったり、マニュアルを読んだりすることが苦手で仕事に支障が出たり、計算が苦手で仕事の経理や家計簿をつけることが難しかったりする場合もあります。

これらの困りごとや行動の背景には、音に過敏で学校で集中できない、姿勢を保つことができず椅子にきちんと座れない、言葉の遅れからコミュニケーションが取れず友だちに手が出てしまうなど、各々の特性や症状が複雑に関係していることもあります。

特性が理解されないまま、「困った子」「できない子」として誤解され、叱られることで、やる気や自信をなくしてしまいがちです。不登校や引きこもり、うつ、反抗挑戦性障害といった二次障害を防ぐためにもこれらの兆候を見逃さないことが重要です。「困った子」ではなく「困っている子」と考え、早期にサポートしていきましょう。

発達障害の対応ポイント

発達障害と診断されたら、障害の種類に応じて適切な対応を行う必要があります。
ここでは障害ごとに対応のポイントをまとめました。

自閉スペクトラム症(ASD)への対応

自閉スペクトラム症のある子どもは、他者とのコミュニケーションが苦手だったり、行動や動作がパターン化したりする傾向にあります。
やり取りや説明が複雑になるとコミュニケーションを取りづらくなるので、できるだけシンプルな伝え方を心がけたり、簡単な手順を実演してみせたりするのが効果的です。

注意欠如・多動症(ADHD)への対応

注意欠如・多動症は落ち着きがなく、長い間集中するのが困難な傾向にあります。
何か伝えたいことがある場合は、短く簡潔な言葉で説明するよう努めましょう。
また、座らせる時は気が散りにくい座席を指定するなどの工夫を採り入れるのも有効です。

学習障害(LD)への対応

学習障害と一言にいっても、どの能力を苦手としているのかは人それぞれです。
たとえば聞くことは得意だけれど、書くことは苦手など、同じ学習障害がある子どもでも得手・不得手には差があります。
得意な部分は情報の理解や表現方法に積極的に活用しつつ、苦手なところは課題の量や質を適度に加減しながら、ゆっくりとしたペースで学習できるよう配慮しましょう

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発達障害かなと思ったら?相談・診断・検査の方法は?

気になる行動が多いなど「発達障害かな?」と思ったら、できるだけ早く専門機関に相談しましょう。

いきなり保護者さま自身で医療機関を探すのは難しいかもしれません。また、必ずしも医療機関を受診しなくても、相談したり、心理検査やアセスメントを受けることで困りごとや特性が把握できたり、公的な支援を受けられる場合もあります。

困りごとが多かったり、子育てに不安や課題感が大きい場合などは、まずは無料で相談できる地域の専門機関を利用することをおすすめします。

相談先

地域の子育て支援センター・家庭児童相談室・児童相談所・保健センター・発達障害者支援センター・療育センターなどで子育て相談や療育相談など相談支援をおこなっています。

かかりつけの小児科医や、1歳半健診、3歳児健診などの機会に保健師や医師に相談してもよいでしょう。

上記の相談機関などでは相談の上、必要に応じて発達検査や児童発達支援などの支援や、専門の医療機関につなげてくれます。発達障害専門の病院やクリニックでは相談のほか、検査や診断、治療をおこないます。子どもの場合、発達障害専門科のほか、児童精神科や小児科などでも診療をおこなっている場合があります。

発達障害の検査・アセスメント

発達障害であるかどうかを調べるために発達検査や知能検査をおこなうことがあります。発達検査は発達の特性や、困難がどこにあるかを客観的に見るための検査です。さまざまな側面からお子さまの発達度合いを評価し数値化することで、サポートが必要な部分を見つけることができます。知能検査は発達検査と同じように発達の特性や困難がどこにあるかを見るのと同時に知的能力の程度を調べるために実施します。

また、子どもの遊んでいる様子などを行動観察したり、保護者さまや子ども自身の生育歴や困っていることなどを問診します。

発達障害の診断

医療機関での診断は、検査や問診の結果などから医師が総合的に判断します。診断基準はDSM-5やICD-10などが一般的に用いられます。経過観察のため、すぐに診断されない場合もあります。

発達障害への支援や治療法は?

発達障害への支援や治療法には大きく分けて「療育(発達支援)」「薬による治療(薬物療法)」があります。

療育(発達支援)

療育(発達支援)とは、障害のある子どもやその可能性のある子どもに対し、個々の発達の状態や障害特性に応じて、今の困りごとの解決と、将来の自立と社会参加を目指し支援をすることです。

子どもは、一人ひとり発達のスピードが異なります。特に障害のある子どもの場合、その子の発達の状況や障害特性に合わせた関わりをすることにより、できることを増やしたり、隠れている力を引き出すことができると言われています。

薬物療法

症状によっては薬による治療が必要になることもあります。薬の成分が脳内の神経伝達物質のアンバランスを改善・調整し、症状のコントロールをおこないます。原則として6歳以上から処方が可能になります。

薬物は障害を根本的に治すものではなく、症状の緩和が目的です。副作用が生じることもあるので医師とよく話し合い、容量・用法を守った服用を心がけましょう。また、薬で症状が落ち着いている際に、スキルトレーニングなどを併せておこなうことも重要です。

早く気づくことが、お子さまだけでなく保護者さまにとってもよりよい支援につながる

子どもの特性に早くから気づき、特性に合わせた関わりをすることはコミュニケーションの発達を促したり、親子関係や他の兄弟との関係をよりよいものにするために大切なことです。子どもが困っている状況であることに気づいたら、適切な支援機関に相談してサポートを受けられるようにしましょう。

発達障害のあるお子さまと保護者さまへの公的なサポート

発達障害のある子どもへの主な公的な支援制度をご紹介します。

障害者手帳

障害者手帳を取得することで、障害の種類や程度に応じてさまざまな福祉サービスを受けることができます。

発達障害の場合、精神障害者保健福祉手帳の対象に含まれます。知的障害を併存する場合は、療育手帳も対象となります。申請には医師による診断書を提出し、障害の程度や取得の可否の判定が必要となります。

障害福祉サービス

地域で療育や支援が受けられる障害児通所支援は、児童発達支援、放課後等デイサービスのほか、医療型児童発達支援や保育所等訪問支援もあります。

その他、障害福祉サービスには障害児入所支援や外出や生活の自立を支援する自立支援給付等など、さまざまな制度があります。

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